深海生物の生存メカニズムを明らかにするためには、生命の最小単位である細胞の圧力下挙動を、その場測定で明らかにすることが手掛かりになると期待される。本研究では、細胞を圧力下で全反射ラマンや全反射蛍光などの顕微分光測定が可能な高圧光学セルの開発を行った。準備実験として、生体膜のモデルとなるリポソームを用いて、脂質の振動スペクトルへの圧力変化から高圧力による相転移を実際に観測可能であること、(2)高圧セル上で細胞を培養・観察し、圧力下で細胞形態は変化を受けないこと」を示すことができた。期間内に生細胞の全反射顕微分光測定には至らなかったが、本研究成果からその基礎となる成果を得ることが出来た。
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