ソフトコーラルからは、複雑な骨格と強い生物活性をもつテルペン化合物が数多く発見されており、抗腫瘍物質エレウテロビンや抗炎症活性物質シュードプテロシンなど新規医薬品リード化合物として期待されている物質もある。しかし、テルペン化合物の構造多様性がどのように創出され、ソフトコーラルの生態・進化にどのように関与しているのかは分かっていない。生物活性なソフトコーラル由来テルペンの生合成機構を明らかにすることは、海洋生態系の構成生物について化学生態学的知見を得ることに加え、合成生物学による有用物質の供給・創出に基礎研究の立場から寄与できると考えている。
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