本研究では、マメ科植物のミヤコグサ(Lotus japonicus)と窒素固定細菌である根粒菌との共生において、ミヤコグサが細胞膜脂質の一つであるフォスファチジルイノシトールリン酸(PIP)の量を変動させることで根粒菌の感染を制御していることを明らかにした。さらに、このPIPの量の変動を担う遺伝子としてPITP-like protein (PLP)およびPhosphatidylinositol (PI) kinaseの2つを同定した。これらの遺伝子は、根粒菌感染依存的に発現量を高め、表皮細胞などで機能することで、PIPの動態を操作しており、共生のバランスを維持するために重要であると考えられる。
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