本研究は、様々な疾病に対し生体防御的に働くとされるが、その作用機序が明確ではないビタミンCやポリフェノール類などの抗酸化性食品成分を対象として、タンパク質修飾を介した機能性に着目した解析を実施した。その結果、抗酸化性食品成分によって修飾を受けたタンパク質が(1)プラスミノーゲン受容体として細胞膜上に発現するヒストンH2Bに結合することで、プラスミノーゲンの活性化を抑制し抗炎症作用を示すこと、(2)ヒストンと結合し凝集体を形成することで、ヒストン誘発性細胞傷害を軽減することが明らかとなった。以上の結果より、抗酸化性食品成分によるタンパク質修飾を介した新たな機能性発現機構の存在が示された。
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