慢性腎臓病は、患者数がわが国の成人のうち8人に1人にのぼるともいわれ、糖尿病や高血圧に加えて新たな国民病として注目度の高い疾患である。そのため、新たな予防法や治療法の確立が強く求められている。腎臓における近位病細管上皮細胞障害の原因は、酸化ストレスをはじめミトコンドリア機能低下や脂質の蓄積など多岐にわたり、Keap1-Nrf2経路を介した作用が有効手段の1つとして考えられる。Keap1-Nrf2経路を活性化するスルフォラファンがミトコンドリア機能低下を抑制する可能性をもつことから、今後の予防法・治療法の探索に寄与し得る研究であると考えられる。
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