共役脂肪酸は、がん細胞に対して細胞毒性を持つことが報告されている。本研究において、共役脂肪酸を含む海藻類をスクリーニングした結果、褐藻ウミウチワ(Padina arborescens Holmes)において、共役脂肪酸を含有していることが示唆された。そこで、褐藻ウミウチワから粗酵素液を抽出し、α-リノレン酸を基質として添加したところ、共役テトラエン型脂肪酸であるパリナリン酸を合成することに成功した。さらに、細胞実験により、パリナリン酸が殺がん細胞効果を有することも確認できた。以上より、褐藻ウミウチワの酵素を使用して、殺がん細胞効果を持つ共役脂肪酸を合成できることを明らかとした。
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