本研究によって、抗酸化作用や抗肥満効果が知られるSFaNの、これまでの報告とは異なる、新しい作用機序が示されたことで、生活習慣病予防に関して科学的エビデンスに基づく新たな機能性食品の開発へ応用されることが期待される。また、最近、SFaNの筋萎縮抑制や筋力維持への効果がわずかに報告されてきているが、今回明らかになったSFaNの筋分化抑制効果は、サルコペニア予防へのアプローチとしての筋分化促進と筋萎縮抑制の違いに着目するきっかけとなった。今回の脂質合成抑制の解析に加えて、今後、SFaNの骨格筋への効果の解析を進めることで、サルコペニア肥満予防及び健康寿命延伸の一歩となることが期待できる。
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