ダイズにおいて熟期に関係するE3遺伝子は播種時期によって収量形成過程に及ぼす影響が異なる。そこで本研究では圃場条件にてE3遺伝子のNILsを対象にLEDを用いて人工光を照射し、日長と光質がダイズの収量形成に及ぼす影響の解明を試みた。その結果、E3遺伝子が晩生型のNILでは、赤色光による長日処理に反応し、着莢が阻害されることが明らかとなった。着莢が阻害された区では収量と収穫指数が低下したが、乾物重増加速度は維持されており、同化産物は茎葉に分配されていた。茎葉が十分に繁茂しているにもかかわらず収量が低下したことから、適切な時期の莢実形成が国内の有限型ダイズ品種の多収にとって重要であると考えられた。
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