多くの植物病原細菌において感染時特異的に発現・機能するhrp遺伝子群は最も重要な病原力遺伝子の1つであり、細菌病防除資材開発の格好のターゲットとなり得る。しかし、その発現制御には多くの因子が介在しており、その全体像が明らかとなっているものは無い。本研究では、熱帯アジアを中心に世界の稲作地帯において最も重要な病原細菌のひとつである白葉枯病菌について、hrp遺伝子群の発現制御機構の新たなシステムとして、感染期間を通したhrp遺伝子群の発現を可能にするための、継続的な細胞内へのキシロースの供給システムが存在することを示す結果を得た。これは、本細菌に対する新規防除資材開発につながる成果である。
|