研究課題
若手研究
マサバ・マイワシ・カタクチイワシの仔稚魚について、成長速度と運動能力の関係を調べた。その結果、全ての種で、成長速度と運動能力の正相関関係が認められることが明らかになった。この結果は、野外研究から得られていた予測と概ね一致するが、その関係性は想定よりも複雑であった。マサバでは両者の関係性がドーム型であり、カタクチイワシでは22℃では正相関が認められたものの、26℃や16℃では関係が消失した。
進化生態学、水産資源学
本研究は、知見が限られた外洋性魚類を用いた実験を通じて、あらゆる動物群の中で初めて成長速度と運動能力の正相関関係を報告したものであり、生態学・進化学の発展に資するものである。また、サバ・イワシ類の生活史初期における成長速度と運動能力の関係の実態は、これまでに全く検証がなく、謎に包まれていた。この関係性が初めて詳細に明らかになったことで、水産学上の重要な課題である、加入量予測の高精度化にも大きく貢献する。