高濃度のフグ毒テトロドトキシン(TTX)を保有する有毒ヒラムシは、TTXの起源を探るうえで重要な生物種である。しかしながら、このような有毒ヒラムシの生活史に関する知見は乏しく、特に孵化幼生がどのような成長過程をたどって着底・変態するかは明らかになっていない。本研究では、有毒ヒラムシの発生初期の生活史に関する知見を得るべく、人工飼育下で孵化幼生の着底・変態を制御する手法の確立を目指した。種々の飼育実験をおこなう過程で、孵化幼生の成長に関する知見を深めるとともに、有毒ヒラムシのTTX関連化合物の保有状況を明らかにした。
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