がん増殖において重要なBET family タンパク質であるBRD4を阻害することにより、良好な抗腫瘍効果を得られることが知られている。さらに、BRD4阻害薬には心不全の抑制作用もあることも明らかになってきた。これらのことから、心毒性を有する既存の抗がん剤とBRD4阻害薬を併用することにより、心毒性リスクを軽減させた化学療法が可能になると期待される。 本研究で実施したマウスおよびラットを用いた非臨床試験の成果から、心毒性が開発の障壁となっている微小管重合阻害薬とBRD4阻害薬との併用により、微小管重合阻害薬の心毒性リスクを低減した新規がん化学治療法を開発できる可能性が示された。
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