研究課題/領域番号 |
20K15677
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上間 亜希子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特別研究員 (20630156)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | アルボウイルス / ハムスターモデル / 蛍光ウイルス |
研究成果の概要 |
本研究は、家畜に異常産を起こすシュマーレンベルグウイルス(SBV)とアカバネウイルス(AKAV)のハムスター感染モデルを確立することを目的とした。 作出した蛍光SBVの性状解析より、GFP/38-SBVが感染を可視化できる最も優れた候補であった。蛍光AKAVの妊娠ハムスター感染実験を行なった。出生子の死亡率は妊娠9日目投与が80%と最も高く、胎盤と胎子で蛍光が観察できた。蛍光AKAVは異常産を再現し可視化できる有力なツールであることが示された。野生型SBVの妊娠ハムスター感染実験を行った。妊娠9日目の静脈接種で出生子の死亡率は43%となり、SBVの感染モデルとして有用であることが示唆された。
|
自由記述の分野 |
ウイルス学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義:AKAVやSBVの異常産を誘導する妊娠小動物モデルの確立によって、これら感染症に対する抗ウイルス薬や新規ワクチンの開発に必要な研究を効果的に進めることができる。蛍光AKAV、蛍光SBVの作出は世界で初めての報告である。これらを用いることでウイルス動態を可視化できる。 社会的意義:本研究によって得られた知見は、日本におけるSBV感染制御に重要な役割を果たす。また病態に共通点のあるジカウイルス感染症など、パンデミックへの対策に役立つ。AKAVやSBV感染症を制御できる有効なワクチンや薬剤の開発は安定した食肉生産につながるため、わが国そして世界の畜産業界に貢献する。
|