研究課題
若手研究
本研究では、正常血圧維持に必須のタンパク質CPI-17は病態生理機能を着目し、CPI-17の遺伝子改変マウスを用いて、デオキシコルチコステロン酢酸-食塩 (DOCA-食塩)誘発高血圧におけるCPI-17の機能を解析した。CPI-17欠損マウスや[T38A]CPI-17ノックインマウスでは有意にDOCAモデルによる高血圧が軽減したことから、CPI-17のThr38のリン酸化シグナルが食塩負荷高血圧発症に重要な役割を担うことが示された。
獣医薬理
食塩誘発性の高血圧は日本では古くから臨床上問題となっている. 近年、RhoA/Rhoキナーゼ/MYPT1リン酸化経路がこの高血圧発症に重要な役割を担うことが明らかにされたが、Rho/Rhoキナーゼと並んで、ミオシンホスファターゼを阻害するPKCあるいはRhoA/RhoキナーゼCPI-17経路の関与は不明であった。本研究により新たにCPI-17経路も食塩誘発高血圧発症に関与する可能性が示されたことは、臨床医学上きわめて重要な知見である。