研究課題
若手研究
遺伝子操作系によるネコモルビリウイルスの分子クローンの樹立に必要な遺伝子組換え実験を行い、ウイルスゲノム、N遺伝子、P遺伝子、L遺伝子それぞれをコードするプラスミドを作製した。また遺伝子導入に当たり、実際のウイルス感染時と同じ条件を設定するため、野生型ウイルス感染時の各遺伝子の発現量を検討した。さらに、ウイルス感染に関わる細胞性因子の同定法の確立、近縁種のウイルス探索システムの構築を行い、それぞれ論文にまとめた。
ウイルス学
本邦では900万頭近いネコが飼育されており、近年は新規飼養頭数が増加している。ネコは泌尿器疾患の罹患率が比較的高く、その治療・ケアは飼育の負担となっている。ネコモルビリウイルス感染はネコの尿細管間質性腎炎との関与が示唆されていることから、このウイルスを研究することは獣医療・飼い主にとって重要だと考えられる。本研究によりネコモルビリウイルスの性状がさらに明らかとなり、また近縁のウイルスが探索できるようになった。