研究課題
若手研究
酢酸菌が産生するセルロースは、膜上に配置された複数のタンパク質複合体によって産生・分泌され、最終的に1本の繊維となる。本研究では、この複合体の構造および膜状の配置・配向を、クライオ電子顕微鏡を用いたトモグラフィー法により解明することを目的とした。トモグラフィー観察を可能にするために、人工的に小さくした細胞であるミニセルの作製に成功した。また、ミニセルがセルロース合成能を持つことを確認した。今後、トモグラフィーでの観察を行う。
生物物理学、構造生物学
バクテリアセルロースを合成・分泌するタンパク質複合体は、膜状に複数配置されている。各複合体から分泌されたセルロースは最終的に1本の繊維となるため、各複合体の膜状の配置・配向は繊維形成に重要な働きを担うと考えられる。本研究は、膜上に配置された複数の複合体をまるごと観察することで、各複合体の構造だけでなく、それらの配置や配向も解明することを目的とする。そのため本研究は、まだ理解が不十分な、分子レベルの構造と細胞レベルの構造をつなぐ研究である。