研究課題
若手研究
コケ植物を含む植物のいくつかの系統では、動物と同様に精子を形成し、鞭毛および多層構造体は植物精子の運動能を担う重要な構造である。本研究では、膜交通制御因子であるRAB GTPaseのサブファミリーのひとつであるRAB23について、コケ植物タイ類ゼニゴケを主に用い、そのはたらきを検証した。精子変態期における発生段階のステージ分けやオルガネラ動態の観察などの解析基盤を確立するとともに、ゼニゴケRAB23の分子的な性質や、ゼニゴケRAB23が鞭毛形成において軸糸構造の正常な形成に関わることを示した。
植物細胞生物学
植物の精子の運動装置形成の仕組みはこれまであまり明らかになっておらず、本研究はその一端を明らかにしました。また鞭毛は植物だけでなく動物にも保存された構造であり、本研究により明らかになったRAB23の鞭毛形成における役割は、他の生物における鞭毛形成の仕組みを考察するうえでも重要な知見になることが期待されます。