真核生物の各々の系統において、独自のオルガネラ獲得があったと考えられており、新規オルガネラ獲得に伴った新規膜交通経路の開拓があったと考えられる。本課題では、ゼニゴケの油体を新規獲得オルガネラのモデルとして、油体形成時における膜交通ダイナミクスの解明を目指した。苔類ゼニゴケの油体は、細胞外への輸送経路である分泌経路を細胞内へ方向転換することにより形成されること、単一の転写因子MpERF13によりその形成が制御されることが明らかになった (Kanazawa et al., 2020)。また、油体形成時における微小管の再編成および初期分泌経路が正常な油体発生に重要な役割を担うことが明らかになった。
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