脳発生過程は翻訳後修飾の1つであるチロシンリン酸化が最も活性化される場面の1つであり、申請者らはリン酸化プロテオミクスから微小管結合タンパク質MAP1BのY1685が高頻度にチロシンリン酸化されることを見出した。pY1685-MAP1Bは機能未知であったが、リン酸化変異体は成長円錐内のアクチン骨格の形態に異常が生じることから、必ずしも微小管ではなく、過去にも報告があるようにMAP1BのF-アクチン上での分子機能の存在が示唆された。その結果、細胞機能としては神経軸索の伸長方向の制御に関わることや、個体レベルにおいては発生過程の脳全体において広く分布し、神経回路の正常な構築に関わる可能性も得た。
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