本研究では,serial block face走査型電子顕微鏡(SBF-SEM)を駆使した組織学的解析により,小腸および大腸粘膜内神経ネットワーク構造の特徴やその形成過程についての成果を得ることができた。小腸の粘膜内神経ネットワークを解析した結果,腸絨毛頂部では複雑に分岐する神経ネットワーク構造が形成されることが示された。神経線維の接触する細胞種を定量すると,腸絨毛頂部において線維芽細胞様細胞(FBLC) type III,FBLC type IV,マクロファージ様細胞への接触が豊富に観察された。また大腸の解析も実施することで,腸管各部位の粘膜内神経ネットワーク構造の特徴の部位差も解明できた。
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