我々動物は、自己運動により生み出される視野全体の像の動きであるオプティックフローにより、姿勢や進行方向を調節している。オプティックフローの処理には、前視蓋という脳領域が関与しており、様々な反応パターンを示す多様なニューロンが混在していることが明らかとなっている。しかし、個々の前視蓋ニューロンを区別して標識する技術が存在しないため、前視蓋ネットワークの機能解明には至っていない。本研究では、CaMPARI2を利用した細胞標識技術と1細胞RNA-seqを組み合わせた独自技術を開発することで、オプティックフロー特異的に反応する前視蓋ニューロンで発現する遺伝子の特定に成功した。
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