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2020 年度 実施状況報告書

培養細胞試験系を用いたユビキチンープロテアソームシステムを阻害する天然物の探索

研究課題

研究課題/領域番号 20K16026
研究機関熊本大学

研究代表者

人羅 勇気  熊本大学, 大学院生命科学研究部附属グローバル天然物科学研究センター, 助教 (00755308)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード天然物 / ユビキチンープロテアソームシステム / スクリーニング / 培養細胞
研究実績の概要

本研究では、ユビキチン-プロテアソームシステム(UPS)を阻害する天然物の探索を目的としている。一部のがん細胞においてUPSは亢進状態にあるので、UPS阻害薬はがん細胞特異的に増殖を抑える抗がん剤としての機能が期待される。
本年度では主にUPS阻害活性を示す天然物のスクリーニングを実施した。本研究では、UPSが阻害され、タンパク質の分解が抑制されると、細胞内にルシフェラーゼが蓄積する細胞を用いてUPS阻害物質の探索を行った。当研究室が保有する微生物ならびに海洋生物などのエキスから構成された天然エキスライブラリ約1万サンプルをスクリーニングし、UPS阻害活性を示す複数の真菌培養エキスならびに海綿エキスを見出した。また、UPS阻害活性を示したサンプルの中でも特に強い生物活性を示した真菌サンプルについて、真菌を培養し活性成分を探索した。生物活性を指標にエキスに含まれるUPS阻害物質を単離し、各種スペクトル解析によりその化学構造を決定した。
現在、単離した天然物についてUPSに関与するどのタンパク質に対して作用するか解析中である。また、類縁体間での構造活性相関研究により活性部位の推定を行い、標的分子の同定を試みている。次年度は、これまでに得られた研究成果をまとめて論文発表する予定である。また、スクリーニングにおいて生物活性を示した複数のサンプルについても成分探索を進めており、今後UPSを阻害しがん細胞に対して増殖抑制作用を示す天然物の発見が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本年度の当初の目的では、培養細胞試験系を用いたエキスライブラリのスクリーニングを実施しUPS阻害活性を示すエキスを見出すことを目的としていた。本年度の研究では、当初の目的通りエキススクリーニングを完遂し、UPS阻害作用を示すエキスを見出すことに成功した。さらに、UPS阻害活性を示した真菌培養エキスからUPS阻害物質の単離と構造決定を達成することができ、作用機序解明に向けた研究に着手することができた。

今後の研究の推進方策

今後は、現在作用機序解析を実施している化合物についての研究を進め、研究成果を論文発表する予定である。また、スクリーニングで見い出したUPS阻害活性を示すそのほかのエキスについても成分探索を実施する予定である。
当初の研究計画よりも順調に研究成果が出ているので、今後はより低濃度で高い選択性でUPS阻害作用を示す天然物の発見を目指す。そのために、スクリーニングで見い出したエキスについて、ユビキチン化にかかわる酵素阻害試験とタンパク分解にかかわる酵素阻害試験を実施することで、特定のタンパク質選択的に機能を阻害しがん細胞の増殖を抑制するサンプルを選抜する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Peniphilones A and B: Azaphilone Alkaloids from the Endophytic Fungus Penicillium maximae2021

    • 著者名/発表者名
      Tsukamoto Sachiko、Koyanagi Yuhei、Hitora Yuki
    • 雑誌名

      HETEROCYCLES

      巻: 102 ページ: 325~325

    • DOI

      10.3987/com-20-14373

    • 査読あり
  • [学会発表] 細胞評価系を用いた真菌由来ユビキチン-プロテアソームシステム阻害物質の探索2021

    • 著者名/発表者名
      西村宗一郎、人羅勇気、河原哲平、加藤光、Sirkoon Pattaravadee、渡邊高志、塚本佐知子
    • 学会等名
      日本薬学会第141年会

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公開日: 2021-12-27  

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