研究課題/領域番号 |
20K16066
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
後藤 将太朗 福岡大学, 薬学部, 助教 (70825108)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ビタミンK / プロドラッグ / 光毒性 / 光分解 / EGFR阻害剤 / 皮膚障害 / ケモカイン / CCL5 |
研究成果の概要 |
本研究では、活性型ビタミンK(VKH)誘導体の皮膚外用剤としての有用性とEGFR阻害剤による皮膚障害に対する効果を評価した。VKH誘導体はキノン型VKの欠点であった光分解性および光毒性を改善しており、さらにヒト表皮角化細胞株(HaCaT細胞)へのVKH送達性はキノン型VKと同等以上であることを示した。またHaCaT細胞へのEGFR阻害剤により、CCL5が増加した。VKおよびVKH誘導体は炎症性ケモカインCCL5の発現を抑制し、VKH誘導体はVKと同等以上の抑制効果を示した。このことから、VKH誘導体の皮膚適用は、キノン型VKの治療効果を高めるための有用な方法であることが明らかとなった。
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自由記述の分野 |
製剤設計学, 薬物送達学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗癌剤として使用されているEGFR阻害剤は、副作用として皮膚障害が好発する。重度の障害は治療薬の減量や中断を招くため、徹底した管理が必要となる。既存のビタミンKのクリーム製剤が皮膚障害に有効との報告があるが、その機序は不明であり、光分解および光毒性の懸念もあった。我々はVKH誘導体が既存のVKよりも光に安定かつ、EGFR阻害剤により誘発される炎症性ケモカイン CCL5を抑制することを発見し、より効果的な皮膚障害予防法を見出した。本研究の成果は、VKH誘導体がEGFR阻害剤により惹起されるCCL5を効果的に抑制できる新規の治療薬としての発展が期待される。
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