IBDの病因はいまだ不明であるが、マクロファージと樹状細胞からインターロイキンが大量に産生されることがIBD発症の要因と考えられている。実際に、抗ヒトインターロイキン抗体製剤はIBDの維持療法に用いられているが、治療にはくすりの持続投与と医療費負担が問題となっている。IBDを根源的に治療するには、すでに過剰産生されたインターロイキンを抗体で中和するのではなく、その産生自体をRNA干渉薬で抑える治療法の開発が有効であろうとの着想に至った。本研究では、安全性が高く、標的のマクロファージに特異的に取り込まれるCharge-reversible脂質ナノ粒子を開発し、IBD治療に応用することを試みる。
|