肝マクロファージ(Kupffer細胞、KC)は、肝環境変化により機能を活性化させ、非アルコール性脂肪性肝炎や肝線維化などの病態に重要な役割を果たすが、KC活性化の分子基盤は不明な点が多い。本研究では、KC特異的に発現する分子FABP7に着目し、肝疾患モデルでのKCの活性化制御機構について検討した。その結果、KCのFABP7は肝線維化を促進させることが示された。一方、肝の脂質蓄積や肝組織炎症への関与は低い可能性も示された。さらに、FABP7はKCの抗炎症性機能活性化を制御し、線維芽細胞の線維化反応を促進させる可能性が示された。今後、より詳細なFABP7によるKCの活性化制御機構を解明したい。
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