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2021 年度 研究成果報告書

生理活性脂質の産生制御が脳内出血病態形成に与える作用の解析

研究課題

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研究課題/領域番号 20K16138
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分48030:薬理学関連
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

肱岡 雅宣  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (50780061)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード脳内出血 / ミクログリア / 好中球 / lipoxin A4
研究成果の概要

脳内出血ではミクログリアの活性化や好中球の浸潤が病態形成を増悪する。生理活性脂質の一種であるロイコトリエンB4がそれらを制御することを過去に報告したため、本研究では脂質代謝に注目した。アラキドン酸生成を制御するモノアシルグリセロールリパーゼ、アラキドン酸やドコサヘキサエン酸等を代謝する12/15-リポキシゲナーゼの阻害薬を脳内出血モデルマウスに投与したところ病態に与える作用は見られず、病態形成における脂質代謝調節の意義は小さいことが示唆された。一方、アラキドン酸代謝物であり抗炎症作用を有するリポキシンA4の受容体作動薬が病態改善作用を示したことから、抗炎症性シグナルの動員が重要だと示唆された。

自由記述の分野

薬理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

脳内出血は脳実質内に血液が漏れ出すことで頭蓋内圧亢進や神経炎症を惹起し、不可逆的な神経変性を呈す疾患である。脳内出血の病態形成機構の詳細は未だ明らかでないことから有用な治療薬は開発されていない。本研究では出血惹起後早期の脂質代謝物の産生に注目しマウスモデルを用いた解析を実施したが、脂質代謝調節を狙った介入法では治療効果が得られなかった。一方でアラキドン酸から代謝された分子に注目し解析した結果、治療標的となりうる分子を見出した。これらの結果は、脳内出血発症後早期の脂質代謝物のシグナル伝達の調節が脳内出血の治療方策となりうることを示したものであり、今後の治療薬開発に寄与する知見だと考えている。

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公開日: 2023-01-30  

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