研究課題
若手研究
パーキンソン病は、脳の黒質におけるドーパミン作動性神経細胞の細胞死を特徴とする。私たちは、ドーパミン神経細胞由来の細胞株において、USP10タンパク質が抗酸化遺伝子群の転写活性化因子であるNrf2を活性化し、ドーパミンによる活性酸素の産生と細胞死を抑制することを発見した。その際、USP10はリン酸化p62(p62/Ser-349)の量を増加させ、このp62/Ser-349がNrf2の抑制因子であるKeap1の分解を誘導し、Nrf2を活性化していた。
Neuroscience
酸化ストレスは、パーキンソン病を始めとする、多くの神経変性疾患の病因や病態に関与している。今回の成果は、USP10が神経細胞の抗酸化活性を活性化する重要な因子であることを明らかにした。また、USP10が酸化ストレスに起因する疾患の治療標的として有望であることも示した。