研究課題/領域番号 |
20K16151
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 東邦大学 (2021) 国立研究開発法人理化学研究所 (2020) |
研究代表者 |
関 崇生 東邦大学, 医学部, 助教 (00832205)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自己免疫 / 胸腺 / 樹状細胞 / 成熟 / TNFレセプターファミリー |
研究成果の概要 |
胸腺の髄質領域には抗原提示細胞が局在し、自己応答性T細胞へ自己抗原を提示することで自己応答性T細胞は細胞死が誘導される。このように胸腺では大部分の自己応答性T細胞が除去されることで、自己免疫疾患の発症が未然に防がれている。胸腺髄質には髄質上皮細胞、B細胞、樹状細胞が局在し、抗原提示には成熟することが必須である。本研究では、TNFレセプターファミリーRANKとCD40が、胸腺樹状細胞の成熟に必要であることを明らかにした。RANKとCD40はTRAF6を介して古典的NF-kB経路を活性化し、胸腺樹状細胞を成熟させる。すなわち、本課題により胸腺樹状細胞の成熟機構の一端が明らかになった。
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自由記述の分野 |
免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1型糖尿病、関節リウマチ等、自己免疫疾患の患者数は年々増加しているが、有効な治療法は限られており、新たな治療法の確立が喫緊の課題である。本研究では、リンパ組織である胸腺による自己免疫疾患発症抑制に着目した。T細胞は胸腺で分化するが、その過程で自己組織に反応する自己応答性T細胞は除かれる。自己応答性T細胞の除去には胸腺髄質に局在する抗原提示細胞が重要である。抗原提示細胞の一種である胸腺樹状細胞は自己応答性T細胞の除去に関わると言われている。本研究により、自己抗原を提示するために必要な”成熟”機構が明らかになった。今後、この知見を利用して自己免疫疾患の発症機構の理解が進展すると期待できる。
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