糖尿病の患者さんに認知症が多いことが知られています。私はその原因が乳酸にあるという仮定のもと、脳に栄養を与えるなどする脊髄液を作る脈絡叢に着目し、その動きがどうなっているかを検討しました。脈絡叢に乳酸を運ぶ輸送体および利用するための受容体を確認し、これを論文として報告しました。 動物での乳酸過剰実験を計画していましたが、ヒトと実験動物では乳酸の輸送体の分布が大きく違ったため、実験計画を変更しヒトの他の臓器との比較を行いました。具体的には胎盤と腎臓です。 血管の内外で水と物質をやり取りするという意味で、似通った組織であるこの脳・胎盤・腎臓を解析することで、脳での乳酸の役割について解明する予定です。
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