研究課題
若手研究
人獣共通感染症起因菌であるCampylobacter fetusにおいてCampylobacter属菌の病原因子の1つと考えられている細胞膨化致死毒素(CDT)を3種類保有している理由について解析試みた。解析を行った140株全てにおいて3種類のCDTをコードする遺伝子が保存されていることが明らかとなった。さらに、これらの遺伝子配列はよく保存されており、MLST解析を行った結果、各シークエンスタイプ(ST)においてcdt遺伝子配列のバリエーションが保存されていることが明らかとなった。
細菌学
本研究ではCampylobacter fetusにおいてなぜ本菌種が3種類の細胞膨化致死毒素(CDT)の遺伝子を保有しているのかを検討した。3種類のCDTのうち2種類のCDTに生物活性があることが明らかとなり、かつ細胞指向性も異なることを明らかとした。本成果は、C. fetusがなぜ動物とヒトの両方で疾患を引き起こし、かつ他のカンピロバクター属菌と異なり腸管外感染症を引き起こすのかについてさらなる検討が可能となった。