胸腺におけるFoxp3陽性制御性T細胞 (regulatory T cell; Treg) の分化機構を、マウス胸腺を用いて探索した。主な成果として、クロマチン免疫沈降、トランスポザーゼクロマチン解析等を組み合わせ、X染色体上の200塩基と700塩基長からなる非コードDNA領域によるTreg特異的なエンハンサー制御が胸腺におけるTreg分化と免疫寛容の成立に不可欠であることを証明した。また、胸腺Treg分化の前駆細胞を新たに同定し、特定のサイトカインの相乗効果による新たな分化経路の存在も示した。これらは、自己免疫疾患、がんやアレルギーの制御法の改良・開発に寄与しうる。
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