血圧を調整するレニンは細胞膜上の存在するプロレニン受容体に結合するが、受容体を発現する免疫細胞にどのような機能があるか、またシグナルを伝達し得るかこれまで不明であった。本研究から、レニンがアンジオテンシン経路を活性化するだけでなく、リンパ球の恒常性維持に寄与し、1型免疫応答や17型免疫応答を制御することで、癌やウイルスの排除に効果を持つ一方で炎症性腸疾患の誘導に関わる可能性を見出した。これ結果から、血圧調整と免疫系が同時に制御される機構を発見することが期待され、高血圧と同時に起こり得る炎症性疾患発症の理解と治療に貢献する。
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