口腔、食道、肺などの扁平上皮癌において高発現が認められるセロトニン受容体HTR7に着目し、その悪性腫瘍の進展に及ぼす影響の解析を行った。口腔扁平上皮癌細胞株においてHTR7をノックダウンすると、In vivoにおいて、造腫瘍性の顕著な低下、未分化腫瘍細胞の減少が認められた。また、In vitroにおいてはHTR7のノックダウンによる細胞分化の促進が認められた。さらにはHTR7シグナル下流Gタンパク質であるG12のノックダウンにおいても同様に細胞分化の促進が認められた。以上のことから、HTR7はG12シグナルを介して細胞分化を抑制することにより、扁平上皮癌の進展に寄与することが示された。
|