本研究では、肝線維化のマーカーとして臨床応用され、様々な癌腫において発現が上昇し予後不良との関連が報告されているMac2-binding protein (M2BP)が膵癌における腫瘍関連マクロファージに与える影響に着目した。術前治療なしの膵癌切除標本における腫瘍関連マクロファージを免疫染色で評価すると、M2BP発現と腫瘍関連マクロファージのマーカーであるCD206が一致したことよりM2BPが腫瘍関連マクロファージを誘導する可能性が示唆された。膵癌細胞株の親株とゲムシタビン耐性株のM2BP発現を評価すると、親株と比較してゲムシタビン耐性株の方がM2BP発現が高いことが示された。
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