研究課題/領域番号 |
20K16486
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
中村 友也 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (70733343)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 外側手綱核 / 幼少期ストレス / パルブアルブミン陽性神経細胞 / Zif268/Egr1陽性神経細胞 / グルタミン酸作動性 / GABA作動性 / 不安 / うつ |
研究成果の概要 |
幼少期ストレスを経験したマウスでは,成長後に不安・うつ様行動が生じ,外側手綱核(Lateral Habenula: LHb)のParvalbumin(PV)陽性神経細胞が少なく,ストレスに反応する神経細胞が多かった. 幼少期のストレスによるLHbの特定の細胞の変化が,行動の変容に関与すると考えられ,不安とうつが発症する脳内機序のひとつであると示唆されるが,それらの因果関係は明らかでない.LHbのPV陽性神経細胞は,70 %が小胞グルタミン酸トランスポーター(vglut2)陽性であり,興奮性のグルタミン酸作動性神経細胞として行動調節に関わっていると考えられる.
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自由記述の分野 |
神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで,「PV陽性神経細胞はGABA作動性で,局所回路を抑制する介在神経細胞である」という大脳皮質における研究結果に基づく定説があったが,それを覆す結果が得られた.LHbのPV陽性神経細胞は大脳皮質とは異なる機能を有している可能性が高い. LHbのPV陽性神経細胞とZif268/Egr1陽性神経細胞は,グルタミン酸作動性の興奮性神経細胞として,幼少期ストレスによって生じる成長後の不安とうつに関与していると考えられる.本研究により,幼少期ストレスによって生じる不安とうつのメカニズムの一端が明らかになった.
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