本研究の目的は、高血圧により引き起こされる脳小血管障害における血管周囲ミクログリアの関与の解明である。まず慢性高血圧モデルラットを用い、血圧上昇過程で変化する遺伝子を網羅的に解析した。その変化する遺伝子群中で血管周囲へとミクログリアを引き寄せうる候補遺伝子Xを選定した。次に免疫組織学的に評価により分子Xの発現細胞が血管内皮細胞とアストロサイトであること、ならびにその受容体Xがミクログリア上で経時的に増加することを確認した。また培養細胞を用いた化学走化性試験により分子Xがミクログリア遊走に関わる事を確認した。本研究結果から分子Xを介してミクログリアが血管周囲へと引き寄せられる事が示唆された。
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