ヒト血漿中脳細胞由来エクソソーム量の定量系の確立を目指し、PD患者および対照者から血漿を採集したが、エクソソームの分離・抽出は完遂できなかった。そのため、PDおよびPS患者の血漿中の疾患特異的蛋白の測定を進め、Leucine-rich α2 glycoprotein (LRG)に注目した。LRGは関節リウマチや炎症性腸疾患で増加することが知られており、PD患者の血清LRG濃度の上昇を確認した。また、PDの腸管炎症のバイオマーカー候補としてZonulinも検討したが、臨床項目や血清サイトカインとの相関は認められなかった。これらの結果から、血清LRG濃度はPDの腸管炎症を反映する可能性が示された。
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