小児期逆境的体験(ACEs)について、外界の対象や原因と、個人に内面化された経路や様式を考慮した、後方視的調査用の他者評価指標(RC-ACEE)を開発し、信頼性・妥当性を検証した。うつ病、双極性障害、統合失調症のある患者において、疾患に関わらず約半数でACEsが存在し、特に同世代・兄弟から受ける逆境体験が多く、男性に比べて女性において多いことが示された。また、NIRSとMRIを用いた検討により、うつ病と統合失調症のある患者において、ACEsの存在が脳機能や構造の変化に関与しており、逆境体験の様式によりその変化が異なる可能性が示唆された。
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