研究課題/領域番号 |
20K16681
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 (2023) 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 (2020-2022) |
研究代表者 |
松岡 究 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (80613794)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アパシー / タウ / 酸化ストレス / PET / MRS / 進行性核上性麻痺 |
研究成果の概要 |
アパシーは目標指向性の低下を特徴とし、QOL低下や介護負担を増大させる。本研究では、進行性核上性麻痺(PSP)患者と健常者を対象に、PET検査、MRSでのグルタチオン濃度評価、MRIでの脳容積測定を行った。結果、PSP患者のアパシー重症度と角回のタウタンパク集積量に正の相関があり、グルタチオン濃度が低いほどアパシースコアが高いことが確認された。これにより、脳後方部位の酸化ストレスがアパシー発症に関連する可能性が示唆された。これらの成果は、アパシーのメカニズム解明や治療法開発に寄与することが期待される(Matsuoka K et al. J Neurol Sci. 2023)。
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自由記述の分野 |
神経画像
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アパシーは自発性の低下を特徴とし、アルツハイマー病や進行性核上性麻痺などの変性疾患において、しばしばみられる症状である。アパシーは患者の生活の質(QOL)の低下や介護負担の増加を引き起こすことが報告されるため、早期発見と介入が求められる。しかしながら、バイオマーカーが確立しておらず、臨床では見過ごされることがある。本研究の結果は、従来から報告される脳前方部のみならず、脳後方部位のアパシーへの関与を示唆し、タウタンパクの蓄積と酸化ストレスとの関連を示すものである。本研究結果はアパシーの神経基盤の解明につながり、バイオマーカーや新規治療法の開発に寄与すると期待される。
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