近年、頭部外傷の分野で慢性外傷性脳症が注目されているが、現時点での診断は剖検に頼るしかなく、生前に診断する方法は確立されていない。また、臨床診断を行うにしても客観的な診断法がないため、典型的な症状が出現した時点で既に病変が進行しているケースが多い。 本研究では当初は慢性外傷性脳症における脳代謝異常をFDG-PETで明らかにすることにより、慢性外傷性脳症の予知や早期治療の確立につなげることを目標としていたが、被験者のリクルートが難しく、まずは健常者における脳FDG-PETの正常像を知るため脳疾患の既往ならびにコンタクトスポーツの経験がない受診者を年代別に分けてデータを収集、解析を行った。
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