本研究では未修飾の抗体を簡便に放射標識できる試薬の開発を目的に、pre-labeling法に着目した新規キレート薬剤の設計および合成と、その有用性の検討を行った。新規薬剤を用いたpre-labeling手法は種々の未修飾な抗体と混合するだけで標識が可能であり、さらに新規キレート試薬によって放射標識を施された抗体は従来法によって標識された抗体と比較して、安定性、細胞結合性、マウス体内動態において同等の結果を示した。 以上からpre-labeling法に着目して設計された本新規薬剤は、従来法と比較して標識抗体の性質を損なうことなく、より簡便な放射標識を可能にするものであった。
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