研究課題/領域番号 |
20K16797
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
相部 則博 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50739240)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 高精度放射線治療 / 呼吸移動 / 体表運動監視による呼吸位相情報 / 体内金属マーカーの座標監視による3次元位置情報 / 4次元解析システム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高精度放射線治療に伴うマーカーレス化や被曝低減化の実現を目指し、体表運動監視による呼吸位相情報と体内金属マーカーの座標監視による3次元位置情報を用いた4次元解析システムを構築することである(標的の3次元位置座標、時間、呼吸位相を統合して解析できるシステムの構築)。対象症例(人体)から実データを取得するために、人を対象とする医学系研究の研究計画を立案し、2021年7月に医学審査委員より研究施行の承認を得たため、実データを集積している。データ収集においては、陽子線治療装置の機器更新に伴い、体表運動監視による呼吸位相情報と体内金属マーカーの座標監視による3次元位置情報を時間軸を揃えた形で、機器より抽出できるようになったため、より円滑な情報データの取得を行える環境が整った。しかし、本年のデータ集積は遅延しており、実データは10症例と昨年と同様の症例集積状況である。本年では更なるデータ収集を予定している。データ収集を進めながら、データ解析と統合解析システムの構築を進めているが、データ解析が難航しており、得られたデータを分解して、分析しやすいデータに集約することに手間取っているのが現状である。本年では、この問題を解決して解析システムを完成させたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実際にデータを取得できる症例数は少なく、データ収集は依然としてに苦労を要している。しかし、一定数のデータは集まっているため、収集データを用いてシステム解析を行いたいところであるが、取得データから必要なデータを効率よく抽出することが難しく(治療システムから得られるデータが雑多で、かつ膨大な情報量となっている)、現在、効率の良い抽出方法の検討を進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
昨年同様に収集データをもとに、統合解析システムを構築を試みる。現在、得られてデータから必要な情報を適切に抽出し、取得情報を効率よく統合化でき手法を検討しているところであるが、その手法の解析を早急に実施し、統合解析できるソフト作りを加速させていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
以前はコロナ感染蔓延が持続していた時期であり、外部出向による学会への参加機会はほぼなくなり、そのため出張費が低コストであった時期が続いていた。このため、本年も次年度使用な研究費が発生している。現在の残っている研究費により、研究内容の充実を図るために必要な追加物品の購入や学会参加や対外交流のための費用を工面する。また、本研究を研究発表する際の旅費資金などとしても使用する予定である。
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