研究課題/領域番号 |
20K16824
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
立川 章太郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (40816550)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 放射線治療学 / 放射線治療抵抗性 / 腫瘍微小環境 / DNA変異解析 / clonal hematopoiesis |
研究成果の概要 |
今回の研究ではclonal hematopoiesis(CH) と放射線治療抵抗性のメカニズムの解明を目標とし、頭頸部癌患者67例のシークエンス解析の結果、無再発生存率・局所再発率ともにCHの存在がリスク因子となることが多変量解析で示された。また、末梢血単核球の遺伝子発現比較のために、CHの有無でRNA-seqを行ったところ、CH有り群において炎症や免疫の主なメディエーターである遺伝子群の発現が高く、またGSEA解析においてはIFN-γの産生が亢進しており、CHの存在が慢性炎症の誘導に関わっている可能性が考えられた。これらの結果を元に、CH のモデルマウスを作成し、追加解析を行っている。
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自由記述の分野 |
放射線治療学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで放射線治療抵抗性へのアプローチとしては低酸素イメージングや線量増加などの報告が多いが、CH に伴う炎症の惹起や腫瘍微小環境の変化に着目した研究は皆無であった。本研究はその点において独自性があり、化学放射線治療を受ける頭頸部癌患者においてCH の有無が局所再発率に関与していることが判明した。今後、CH による腫瘍微小環境の変化が放射線治療抵抗性へ関与していることをコンディショナルノックアウトマウスを用いて解析予定だが、それらが解明できれば抗炎症作用をもつ薬剤の投与や血管新生阻害剤、マクロファージの遊走を阻害する薬剤など、CH を有する患者における新たな治療戦略の設計が可能となる。
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