小児の悪性固形腫瘍に発現するCD99を標的として、遺伝子操作性に優れるヒトiPS細胞をプラットフォームとする新規CAR-T療法の研究システムを作ることを目的とした。当研究室で予め作製した抗CD99CARを、ドナー血T細胞より樹立したヒトiPS細胞へ導入、iPS細胞をT細胞へ分化誘導した。誘導後、CD99の強発現が見られた為、CD99をノックダウンし分化誘導を行ったが、分化効率が低下し、抑えたはずのCD99の発現が徐々に出現した。更に、研究過程で、抗CD99CARのCD99への親和性が確認できず、立体構造に問題が生じていることが判明した。構造を変えて改良を試みたが、改善することは困難であった。
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