約300例の小児神経膠腫の解析を行った。パイロシークエンスやRT-PCRなを用いた簡易かつ安価な方法により、53%で典型的な遺伝子異常が検出され、診断や治療法の選択に寄与し得ることが示唆された。神経膠腫に含まれる様々な病理型における遺伝子異常の頻度、各遺伝子異常から見た病理組織型の頻度は、海外からの小児神経膠腫の報告と同様の傾向を示していた。病理診断が難しい症例を中心にRNAシークエンスやメチル化解析を実施したところ、新たな病型と考えられる症例の同定や稀な症例からNTRK融合遺伝子が検出され、このような解析を臨床に活用することが小児脳腫瘍の臨床の向上、予後の改善につながることが示唆された。
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