研究課題
若手研究
人工子宮システム管理下において本来は胎盤が分泌するCRH (corticotropin-releasing hormone)を持続投与し,胎仔視床下部-下垂体-副腎系の発達が本来の子宮内で生育した児と同等であることを検証した.一部はCRHの持続投与で生育できたが,追加でコルチゾールの補充が循環の維持に必要であった.さらに生育後のCRH負荷試験では子宮内で生育した仔と同等ではないことが確認された.
新生児学分野
本研究により人工子宮システム管理下において本来の子宮内で生育した仔と同等の内分泌学的機能を獲得するためには,仔のストレス応じた適切なコルチゾール量の制御とCRH持続投与の他に胎盤が持つ内分泌機能を付与することが必要である.今後人工子宮システムの発展に伴い長期生存が期待されるが,本来の胎盤が持つ未解明な機能について明らかにすることで合併症を最小限し現在の新生児医療の代替療法となることを期待する.