近年、早産児での出生が増加している。早産児は神経発達症を高率に合併するがそのメカニズムは十分に解明されておらず、また有効な治療法も存在しない。本研究により、早産児の神経発達予後を改善させる治療法の開発につながることが期待される。さらに脳に限らず、体の様々な臓器・組織で生後も幹細胞が存在していることから、本研究で得られた知見は、早産がこれらの組織幹細胞に与える影響を解明することにもつながる。また、新生児脳の再生ポテンシャルを解明することで、成人脳が再生しにくい要因を理解するための手がかりが得られ、成人の脳梗塞など難治性脳疾患の新たな治療法の開発にも貢献できる。
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