研究課題/領域番号 |
20K16967
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
小田桐 直志 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (10623241)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 肝細胞癌 / 細胞老化 / 分泌因子 / 化学療法 |
研究成果の概要 |
老化ヒト肝星細胞ではANGPTL4・IL-8・PF4V1(老化3因子)の遺伝子発現が増加しているが、この老化3因子が血管新生・細胞増殖・炎症誘発などの点で肝がん病態進展に与える影響を検証することを目的とした。肝がん細胞(HepG2、Li-7、SNU387)への老化3因子の蛋白添加実験を行ったが、細胞増殖への直接的影響は確認できなかった。血管新生への影響について解析するためヒト類洞内皮細胞(LSEC)を用いた実験を行ったが、CXCR1・CXCR2の遺伝子発現はLSECではほとんど見られず、IL-8は血管新生に対する影響は乏しいと考えられ、炎症誘発作用への影響を解析する必要があると考えられた。
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自由記述の分野 |
肝臓病学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々はヒト肝星細胞の老化関連分泌因子と肝発癌との関連に注目し研究を行った。我々は極力単純化した実験系での生理機能の立証を試みたが、肝がん細胞の増殖や血管新生などに直結する直接的な生理作用を見出すことはできなかった。肝微小環境においてこうした老化関連分泌因子は複雑な相互作用を有しているものと考えられ、それらの解明には今後もさらなる研究が必要である。細胞老化と発がんの関連性については様々な臓器システムで注目されている分野であり、このような機序の解明は癌に対する新たな治療開発の可能性につながってくると考えられる。
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