拡張型心筋症モデルブタに対してiPS細胞由来心筋細胞シート移植を行い、心機能の改善効果およびその機序として冠動脈微小血管障害の改善の関与について評価を行った。心機能はiPS細胞シート移植群で有意な改善を認めたが、微小血管障害に関しては冠動脈の太さと容易に冠攣縮を引き起こすことが問題で正確な評価ができなかった。圧ガイドワイヤーを用いる方法は断念しアンモニアPETを用いて心筋血流能について評価を行い、左前下行枝および回旋枝領域において最大充血時の心筋血流量の有意な改善を示し、iPS細胞由来心筋細胞シートが微小血管障害の改善を介して、低下した心機能を改善させる可能性が示唆された。
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