今回、従来からの単一遺伝子変異の検索では原因が同定されなかった肥大型心筋症(HCM)患者に対して、心室中隔壁厚(IVS)に対する多遺伝子リスクスコア(PRS-IVS)の観点から多遺伝子が合わさることで発症するタイプのHCMの探索を行った。まず、PRS-IVSの導出方法を樹立した。続いて、対照群と比較して、原因変異保有HCM群、原因変異非保有HCM群はいずれも有意にPRS-IVSは高値であることを示した。一方、HCM患者において原因保有群と原因非保有群間でのPRS-IVSに有意な差はみられなかった。さらにPRS-IVSと各群のIVS実測値との相関もみられなかった。
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